DESIGN

KUUKANのデザインは単一のオブジェクトとしてではなく、身に着ける人の身体やファッション、そして周囲の空間との「関係性」を重視しています。
根底にあるのは、大学で学んだ美術の視点、特に西洋の「ミニマリズム」と、日本画の尾形光琳に見られる「間(余白)」の美学です。ミニマリズムが「展示空間と鑑賞者の関係」を問い、光琳が「描かれない空間」を構図の積極的な要素としたように、私も「モノそのもの」と同時に「その間にある関係性」に意識を向けています。
この削ぎ落とされた造形の純度を保つため、ジュエリーにはブランドロゴや「925」といった刻印を一切入れていません。ブランドという記号で価値を提示するのではなく、純粋な一つのプロダクトとしての美しさを追求しているからです。ただの「シンプル」を求めるのではなく、静寂を抱き、形そのものが放つ「美の気配」を醸し出すようにデザインしています。

ドナルド・ジャッド《15 Untitled Works in Concrete》1980–1984年

尾形光琳《燕子花図屏風》 18世紀初頭
KUUKANのジュエリーは、身に着けることで周囲の「空間」や「余白」を美しく際立たせる存在でもあります。私が目指すのはショーケースに飾られるアートピースを作ることではありません。美術のコンテクストを背景に持ちながらもあくまで今の時代の空気感に寄り添い、日常のファッションとして機能するミニマルな形。人と空間の関係性を美しく引き立てるプロダクトを追求しています。